●右の画像:「リード=おもり」の関係
ABO血液型の話をするとき、相性の良い悪いを言う人がしばしばいらっしゃいます。けれどそれはナンセンス。これまでもお伝えしてきたように、「各タイプの組合せには特徴があり、それぞれ努力するポイントが違う」のです。そのことをご理解いただくために、ある幼稚園(インドネシア)で子どもたちの観察をしていた時のことをご紹介しましょう。
その作業は、2人1組で、"切り絵"をお手本どおりに仕上げるという共同作業でした。私は1人のO型の男の子(M君とします。)に注目しました。彼はA型の女の子とペアになりました。子どもの頃というのは、だいたい女の子の方がしっかりしているんですよね。A型女の子は「私が貼るからあなたが切ってね!」と、M君を完全に仕切っていました。 「分かったよ…」という顔をしたM君。点線に沿って紙をハサミで切っていくのですが、これがM君の試練でして…A型女の子のOKがなかなかもらえません…。「ここの線がズレてるわよ」「あ、もっとここは短いでしょ!」
聞いていると、私もビビるぐらいの細かいダメ出しです。M君は、始めは「うんうん」と素直に聞いていたのですが、だんだんムッとしたり「ウルサイな~」とブツブツ言ったりしながら、何度も何度もやり直していました。そのうちに、お互い緊張感が漂い始めて、M君は真顔になって取り組んでいます。
しかし彼が、うるさがりながらも、この作業を最後まで投げ出そうとしなかったのは、自分が切り抜いた絵をA型女の子が丁寧に貼り付けていくと…どうでしょう。だんだん出来上がりが見えてきたのです。すると彼は、「作品を完成させたい」という気持ちになったようで、次第に作品づくりに集中していきました。
それに、A型女の子の指示と扱いはなかなかのものです。時には「あ、これいいネ、上手いじゃん!」なんて誉めたりもして、実に順序よく作業が進み、みごとに完成したではありませんか!その完璧な出来栄えに、先生も感嘆して、2人は鼻高々です。
M君、がんばった甲斐がありました!そこでM君、すっかり気を良くしたらしく、今度は違う絵に挑戦したくなります。ただし、次に選んだパートナーはB型の男の子でした。 やり方を心得たM君は、今度は自分がB型の子に教え始めます。ところが、B型男の子はそんなものハナから聞いちゃいない!?何やら自分流にアレンジして、面白い形に切っては大喜び…。だんだん、B型男の子のペースに乗せられていくM君。そのうち、2人はもう、すっかりはしゃいでしまいます。その様子ときたら、今さっきとは大違い。M君はと~っても楽しそう!
しかし、画用紙には意味のない切り絵が無造作に貼られるだけで、完成には程遠い気配です。しばらくすると、2人とも飽きてしまいます。B型男の子は、しまいには紙飛行機を作って違う遊びを始めてしまう始末。M君の方は、ちょっぴり残念そうな顔で未完成の切り絵を見ましたが、諦めてその場を去って行きました。
これはM君が、同じ日の同じ作業で経験したことです。私はその一部始終をずっと観察していて、血液型の組合せによる特徴がとても良く現れていたので、本当に面白かったのです。O型のM君、A型の子と組んだ時には、ちょっと息苦しい感じがあったけれど、しかし作業が完成した達成感を味わうことができました。一方、B型の子と組んだ時には、とにかく面白くて楽しかったけれど、残念ながら作業は中途半端に終わってしまいました。
さて、「O×A」と「O×B」において、この組合せのどちらが相性が良いと言えるでしょうか?ある面から見ればA型の方が相性が良いと感じるだろうし、ある面から見ればB型の方が相性が良いと感じるでしょう。すると、いったい何をもって「相性の良い悪い」を語れるのかしら?と思いますよね。やはり、それぞれの組合せには、それぞれの特徴があり、そしてそこには、お互いに必要な役割があるんだと、つくづく思うのです。
これを書きながら、更に思い出したことがあります。ある日、ロシアTV局の取材を受けたことがありました。やってきたのはA型カメラマンとO型記者。もちろん2人ともロシア人です。"完全"を目指すA型気質は、国が違ってもどこも同じらしく、A型カメラマンはなかなか細かいッ…!数センチの私の立ち位置のズレをもいちいち修正しようとするので、何度も撮り直すことになったわけですが、その間、O型記者は、私に気遣う気持ちもあって、「またか」という顔をしながら、少々申し訳なさそうにしていました。
しかし、私は血液型人間学の研究をしているんですから大丈夫ですよ~(^-^;)このA型さんの、細やかで諦めない仕事ぶりがあるからこそ、良い仕事が完成する、と思えば、ナ~ンてことはありません…(^-^;) それはそうと、このO型記者の、A型の細かさに呆れているその表情が、前出の、A型女の子にダメ出しされていたO型男の子の表情と、そっくり重なったものですから、ABO血液型にかかると、大人であろうが子どもであろうが、反応まで同じになるものなんだと、しみじみ呆れてしまったのでした。
補足▶画像の図(リード=おもり図)についてはこちらの説明をご覧下さい。