「変身願望はありますか?」
ある座談会の席でそんな話題になりました。
参加していた他のメンバーがしばし考える中、ひとりのA型女性は「あ、私それ、あります」と即座に答えました。
彼女いわく。
「今の自分は、本当の自分じゃないような気が、無性にしてならないことがある」
そうなのです。
A型の人が、社会や周囲に合わせて自分を抑制しやすい体質があるというのは、よく伝えていることですが、彼女のように自分を出しきれていないという思いを、はっきり自覚しているA型さんは多いのかもしれません。
他にも思い当たるフシがいくつかあります。
以前知り合ったA型女性ですが、彼女は女刑事さん。
仕事場の近所で男性が孤独死をしたという出来事があり、ある日パトカーやら警官たちが周辺に集まって騒然となったことがありました。事情を知らないわたしは何事かと思っていると、2人の私服警官が、少々緊張した雰囲気を漂わせて尋ねてきました。ドアを開けると話しを切り出したのは中年の男性刑事でしたが、その後ろに警官の制服を着た美しい女性がもう1人立っています。
単に美しい女性というなら、それほど驚くこともないのですが、彼女の立ち居振る舞いや、かもし出す雰囲気は、まるで刑事ドラマにでも出て来そうな格好よさで、その上モデルさんのように美人で...まあ、現実にはそうそう居ないだろうという、"女刑事"そのものだったのです。
「まさかコレ、撮影じゃないわよね」
と、一瞬、疑いたくなったくらいです。
そして2人の刑事さん、一旦はその場を去り、周辺の聞き込み調査を終えると、どうやら事件ではなさそうだと分かったようです。しかしなぜか、2人はわたしの事務所に舞い戻り、今度は、鑑識やらなにやらでまだ時間がかかるので、ここで待たせてくれないかといいます。
そんな経緯で、この2人の刑事さんとすっかり親しくなりました。そこでわたしが何より興味津々だったのは、美人刑事さんのことです。彼女の血液型はA型。そして何と、元はバレリーナだったというのです。ああ、なるほど...だから所作が美しいだけでなく、身のこなしに優雅さを醸し出しているのか、と納得したのです。
それにしてもなぜ、あの白鳥の湖を優雅に舞うバレリーナが、よりによって殺人のような物騒な事件に泥まみれになる刑事に転身したのかしら?
だれもが不思議に思うでしょうが、残念ながら、その心の内を詳しく訊く前に、美人刑事さんは転勤してしまいました。その場で言っていたことは、
「何か、ぜんぜん違うことをしてみたかった」
というものでした。
するとわたしが想像するに、A型の変身願望…あるいは現状脱皮願望の明確な表れではなかったかと思うのです。この美人刑事さんのような極端な方は少ないにしても、似たような話しはA型さんによくあります。
それまで地味で大人しいイメージでいたと思ったら、会社を辞めてしばらくぶりに会ったら服装やメイクも派手な装いになっていて、まるで別人かと周囲を仰天させた女性もいましたっけ。芸能人なら、過去に山口百恵さんの突然の引退宣言なども、それと近いような気がします。
A型さんの場合、抑制が働き過ぎる分、それへの反動がことさら大きいのでしょう。しかし他の血液型にしたって、想定外の意外な面、というのを必ず持っているものです。それは本人さえも、そういう意外性に気づかずにいることが多いのかもしれません。
そう考えると、自分の可能性は、もっと無限大だと思ったとしても、決してオーバーではない気がしてきませんか?自分はこうだから、あの人はああだからと、何事も決めつけてしまう必要がないことが、こうした事例でもよく分かるのです。
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