"食"にも各タイプ、いろいろな傾向があります。なかでもAB型さんは、いちばんの"食いしん坊"。何に対しても執着が薄いのがAB型気質だと思っていたら、食べることに関しては、貪欲にも見えるところがありまして、
「あの時、あれを食べたかったのに~」
なんて、食べ損ねたことをいつまでも悔しがっていたりすることもあるのです。
レストランで一緒に食事をしていると、相手が食べているのをジ~ッと見つめて、
「美味しそう、ひとくち頂戴!」
と、食い意地の悪いところを見せたりもするんだそうな。
これはAB型の、多様性を求める傾向が、そうさせるようです。AB型には、「いろいろ楽しみたい」「いろいろ試してみたい」という性質があるのです。
だからたとえ好きな物でも、毎日おんなじでは、途端に飽きてしまいます。そういう面では、とても飽きっぽいと言えますね。もしもあなたのAB型彼女が、「私、ドーナツ大好き!」と言ったからといって、会う度にドーナツをお土産に持参したりしてはいけません。
「またドーナツか・・・」
と、内心、飽き飽きしてるかもしれないのです。
そういうAB型は、バイキング、ビュッフェなんていうのも大好きで、色とりどりに各国の料理が並んでいると、それだけでワクワク。
「全部を味見しなくちゃ!」
なんて、張り切ってしまうのです。まあ要するに、食べ物に執着…というよりも、単にいろいろ食べてみたいだけなのかもしれませんね。
たとえば、食卓に大好きな食べ物が一品!しかも最高の素材で最高の料理人が調理したものがあったとして、それをたらふく食べられたとしても、AB型にとってはどこか物足りなくて、何か他にも2、3品並べてくれないと、満足した気がしないという感じなのです。
食の好みの違いが悲劇に...
話はここで終わりにしたいところですが、こうした食の好みの特徴で、ちょっとしたエピソードがあったので、お話ししようと思います。
それは、A型とAB型ご夫婦でした。AB型とは対照的に、A型さんはシンプルな食卓を好む人が目立ちます。A型のご主人は、とても穏やかなお人柄で、AB型の奥様は明るい女性。そんな2人が、新婚生活を始めて半年ぐらいたった頃、奥様がいつものように夕食の支度をして料理を食卓に並べました。料理の腕には少々自信のあるAB型奥様は、毎日色とりどりの品をテーブル一杯に並べていました。
その日も、
「あ、サラダを作るのを忘れてたわ」
と奥様。
ご主人は「これで充分だよ」と言ったのですが、奥様は、それを聞かずに慌ててサラダを追加しました。
ところが食事が始まると、ご主人はいつになく機嫌が悪そう。それを見て奥様はハラハラします。2人の空気がだんだん気まずくなりはじめ、するとご主人が、突然テーブルをひっくり返し、
「こんなに食べられるか!」
と、怒りを爆発させたのでした。
それまで、優しくてご主人の怒鳴ったところなんて見たことがなかった奥様は、ビックリして、怯えるやら慌てるやらで、呆然としてしまいました。
ご主人の怒りの原因は簡単です。料理の品数が多過ぎたのです。A型のご主人を弁護するなら、彼は毎食、奥様が自分のために作ってくれるのはありがたいし、全部美味しく食べてあげたいしと、思いやりが働きます。しかし、4品も5品ものお皿があると、あれも食べなきゃ、これも食べなきゃと、気は散るし、食べきれないし、とにかく、ひと品をじっくり味わうことなど出来ないではないか!
とまあ、最初の頃は奥様に合わせていたけど、それが毎日なのでだんだん不愉快になり始め、その日、虫の居所が悪かったのに加えて、更に一品追加されたことで、一気に爆発してしまったというわけです。
こういうのはもう、どちらに非があるということではないですよね。血液型でお互いの好み傾向を知ってしまえば、「なーんだ、そうだったのか」って、思えるでしょう。
このご夫婦は、その後どうしたかって?奥様は、のちに血液型のことを知る機会があり、自分のAB型性とご主人のA型性を理解したのでした。そして"食卓は3品まで"と決めたそうです。
でも時々、気晴らしにお友だちとバイキングに行って、好きなだけいろいろ、た~くさん食べてくるんだそうです。
理解したからといっても、お互い合わせてばかりではストレスがたまりますものね。適当な息抜きも、ご夫婦には必要です。