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Chieko.I

いっぱ〜い!が好きなO型さん


以前、我々の事務所でイラストを描いてくれていたスタッフ、”Yちゃん”のエピソードです。彼女はO型、二十歳を過ぎたばかりの素直な元気女子。Yちゃんが来てくれたことで事務所の空気に活気がでてきました。思い出せば…初めてのお仕事は、お客様にお茶を出すことでした。


Yちゃん、少々緊張しながら、こぼさないようにと丁寧に、湯飲み茶碗をお客様の前に出しました。…が、私は心の中で、おかしくて、おかしくて、笑いがこみ上げていました。なぜかというと、その湯飲みには、お茶が溢れんばかりに、いっぱ~いに入っていたのです。


ちょうど、その少し前、我々ABOセンターが監修したテレビの特集番組で、幼稚園児たちに、「ジュースをみんなで仲良く飲もうねっ!」という実験を行ったばかりでした。


その実験では、テーブルに、さまざまな形のコップが置かれていました。A型グループは、みんなで示し合わせたように、全員が同じ形のコップを持ってきました。そして、代表の1人が、みんなのコップを並べてジュースを注ぎ分けました。

「あ、こっちがちょっと少ないよ!」

なんて言いながら、1ミリたがわず平等に分けて、“み~んなおんなじ!”って感じで、嬉しそうに仲良くジュースを飲んでいました。


そしてO型グループはというと、A型グループとは反対に、それぞれが自分の好きな形や大きさのコップを持ってきます。誰かが手にしたコップはわざと避けてるのか、まるで"私のコップ"を主張するかのようです。


そして、小さかったり大きかったり、それぞれ違うコップを持ってくると、自分のコップに溢れんばかりに、“いっぱ~い”のジュースを注ぎました。小さいコップだと、少ししか入らないとか、そんな細かいことは、どーでもよろしい!?とにかくO型さんは、「いっぱ~い!」が嬉しいらしいのです。


その実験を思い出して、「Yちゃんも同じね~」と、おかしくなってしまったのです。それに、お客様が、熱いお茶がいっぱいに入っているものだから、持とうとして「あちっ!」なんて、小声で言ってるので、尚更、(心の中で)笑いがこみ上げてしまったのでした。


後で、Yちゃんに、その経緯を話しました。

「え~、そうだったんですか。スミマセン、気をつけま~す!」

とYちゃん。ちょっとショックだったかなぁ?


そして、それからというもの、湯飲み茶碗には、お茶がお上品すぎるぐらいに、7分目まで減ってしまいました...なんか、淋しい。


そんなふうに思っていたある日の来客の時、Yちゃんは、新しい湯飲み茶碗を用意してきました。なんと、それには取っ手が付いているではありませんか!


そうか、これなら、いっぱ~い注いでも、熱くないもんね!

「よく考えました~」

私たちスタッフは、大笑い!

「だって~、いっぱいのほうが幸せなんだも~ん」

と、Yちゃんは、嬉しそうに言いました。


そして、更に後日談...

その後、Yちゃんはすっかり大人になり、今はアーティストとして独立し、大活躍しています。そんなYちゃんと、久しぶりにランチをしました。そこで私が、ドリンクバーで2人分のお水を持ってきたら、

「市川さん上品すぎるんだから、もっといっぱい入れてきて〜」

とYちゃん。

「あらそう、こぼすといけないからねえ」

と、私が笑いながらいうと、

「だってえ、いっぱいが好きなんだもーん」

とYちゃん。


いくつになっても、O型さんは「いっぱ〜い」が好きなんですねえ。


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