ある日、事務所の引っ越しがありました。その日は土曜日でしたが、スタッフのKさんは、小学生の息子タカちゃんを連れてこれたらいいんだけど、ちょうど少林寺の習い事がある日だから、どうしようかと考えあぐねていました。
「ウチの子、休むのが何より嫌いだから...」
それでも、念のため息子くんに聞いてみてくれました。
「事務所のみんなも、タカに手伝って欲しいっていってるんだけど...」
そしたら何と、「いいよ」とあっさり一つ返事。思いがけない反応に、Kさんは、一応、念押ししてみました。
「本当にいいの?少林寺の日だよ?」
すると、息子くんはこういいました。
「知ってるよ、でも、頼まれたらイヤっていえないでしょう」
Kさんは驚きました。だって、そんな事自分は言ったこともなかったし、教えた事もなかったし、いったいどこで覚えたんだろうと思ったのです。
息子くんはAB型です。こんな小さいときから、AB型ならではの発言が、自然にポロッと出てくるわけですから、おもしろいですよね。
AB型さんの、人から何か頼まれると「イヤ」と言えない現象は、「血液型人間学」提唱者の能見正比古が、伝えてきたことでもあります。
また、こんな事もありました。TV局のスタッフと行った、子どもたちの行動実験です。
スタッフのお兄さんがヒーローに扮して、子どもたちに「一緒に悪いヤツをやっつけよう!」と誘います。しかし、どう見てもカッコ悪くて弱そうなヒーローなんです。他のタイプのグループの子たちは、誰も相手にしてくれません。ところが、AB型グループだけは違いました。
お兄さんがやってくると、最初はみんな沈黙…。しかしひとりの男の子がこう言い出しました。
「ねえねえ、あんなに頼んでるんだから、助けてあげようよ!」
すると他のAB型っ子たちも、
「うん、いいよ!」
と、全員賛同したのでした。
他のグループで無視され続けてへこんでたお兄さん、
「や、やさしいな〜ありがとう〜」
と、面目が立ってホッとしたのでした。
子どもたちのこうした行動を見れば、AB型は、「頼まれたらイヤと言えない」性質を、基本的に持っているのでしょう。ではこの性質を、みなさんはどう捉えるでしょう。
実際、大人になるにつれ、同じような行動が、ある時は”人の好さ”として評価されても、ある時は、”優柔不断”とみられたりするものですよね。
AB型自身もまた、頼まれたら「ヨッシャ!」と、張り切ってしまうこともあるけれど、他人から悪く思われたくないために、つい受けてしまうこともあるにちがいありません。そもそも、"人が好い"ということでさえ、良き性質なのか、嘲笑される性質なのか、何とも言えないのが人間社会なんですね。
こうしたこと...つまり、同じ性質でも、それが表現される状況によって、さまざまな受け取り方があるというのは、どの血液型の、どの性質にも言えることです。
とにもかくにも、子どもたちが見せてくれる言動は、良し悪しを抜きにした素顔です。それが歪むことなく発揮される人間社会だったら、どんなに居心地良いだろうな、と思うのです。
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